京都国立博物館(京博)へ
2025年1月、大阪から京阪電車で京都へ行きました。今回の目的地は京都国立博物館です。
日本にある4つの国立博物館、「東京国立博物館」「京都国立博物館」「奈良国立博物館」「九州国立博物館」のうち、京都国立博物館だけ行ったことがなかったのです。行こうと思ったときに休館のタイミングだったりして機会を逃していました。1月から再開という話だったので、行けるときに行ってみることに。
ちなみに上記4つの博物館は、それぞれ「東博」「京博」「奈良博」「九博」とも呼ばれています。トーハク、きょうはく、ならはく、きゅーはく など、公式サイトや公式SNSでもいろいろな表記があるようです。ということで今回は「京博(きょうはく)」に行きます。
京都国立博物館(京博)
https://www.kyohaku.go.jp/jp/
京阪電車で京都の七条駅に向かいます
京都国立博物館の最寄り駅は京阪電車の七条駅です。七条駅から京都国立博物館までは徒歩7分程度。
大阪の北浜駅から京阪電車の特急にあるプレミアムカーという車両に乗ってみることにします。
京阪電車のプレミアムカー
https://www.keihan.co.jp/traffic/premiumcar/
プレミアムカーは新幹線でいう「グリーン車」みたいなもので、乗車券の他にプレミアムカー券が必要です。プレミアムカー券は北浜駅から七条駅までで500円。乗車券が430円なので、片道の合計で930円です。
プレミアムカー券は京阪電車のホームにある自動券売機で購入できます。希望の列車と降車駅を選択し、座席を指定します。ホームにある自動券売機はキャッシュレス決済のみで現金は使えません。


現金で支払いたい場合は窓口での購入になりますが、窓口ではキャッシュレス決済は不可となっているようです。それからWebでの事前購入も可能です。
- ホームの自動券売機:キャッシュレス決済のみ(現金不可)
- 窓口:現金のみ(キャッシュレス決済不可)
- Web:キャッシュレス決済
今回、駅のホームにある自動券売機で10分後の特急列車のチケットを購入しましたが、その後で海外からの観光客の人たちが自動券売機での購入に少し手こずっていたりしたので、もし「次の電車のプレミアムカーに乗りたい!」といった場合は焦るかも。
プレミアムカーは6号車になります。自動券売機があるところが6号車の停車位置なので、プレミアムカー券を購入してその場で待ちます。その間もバラバラと海外からの観光客と思われる人たちが、大きなスーツケースを転がしながらホームに降りてきていました。
京阪電車の特急に乗車
時間どおりに到着した特急列車に乗り込みます。プレミアムカーの入り口には係の人「アテンダント」がいます。
乗るときは特にチケットのチェックなどありません。もちろん着席状況はチェックしているので、チケットを購入せずに適当な席に座っていたら声を掛けられることになりますが。
アテンダントの方は途中の停車駅でのアテンドのほか、ときどきグッズ販売などでまわったりしてましたが、基本的にはずっと車両の入口ドア付近に立っていました。特にやることが無いときはどこかに座っていられればいいのに。
北浜駅で乗車したときは、プレミアムカーの乗車率は5-6割程度といったところ。京橋駅で席も埋まってきましたが、自動券売機でプレミアムカー券を購入したときにまだ余裕があったので、平日の昼間はこんなもんかなという感じです。
シートは2-1の配列、前後も広くてもちろん快適に過ごせます。
45分で七条駅に到着。七条駅は地下になります。地上に出ると鴨川が見えます。ここから東に真っ直ぐ歩けば京都国立博物館に着きますが、駅のすぐ近くにあるラーメン屋さんで少し早めのお昼にしました。京都はラーメンの美味しいお店がたくさんありますね。
時期的に中国の春節にあたるので、京都はかなり混んでいるんだろうなと思っていましたが、このエリアはそこまで大変な状態にはなっていませんでした。
ラーメン屋さんを出て京都国立博物館に向かいます。歩いていたら雪がちらついてきて、おそらく東南アジアからの観光客の人たちは楽しそうに写真を撮っていました。



京都国立博物館に入ります
京都国立博物館の入り口は、七条駅から真っ直ぐ歩いてきた通り沿いにある「南門」になります。西側に「表門(西門)」があるのですが、現在は閉じているようです。

南門を入るとチケット売り場があります。窓口が1つと自動券売機が2つ。キャッシュレス決済も対応しています。ひとり700円。



チケットを見せて中に入ると、右側に明治古都館という立派な建物があって、左側に庭園や噴水があります。噴水の前にはロダンの「考える人」の後ろ姿が見えます。そして正面に平成知新館があります。平成知新館は2014年(平成26年)に開館した展示館で、現在の京都国立博物館はこの平成知新館のみで展示を行っています。
京博の展示について
展示については「名品ギャラリー」という名称で平常展示を行っていて、これが一般でいうところの常設展にあたるようです。ときどき「特集展示」や「特別展示」などのかたちでテーマに基づく展示が行われることもあります。これらは観覧料700円で見ることができます。
それから「特別展」というものがあって、これは平成知新館全体を使って行う企画展です。普段、平成知新館で展示されている名品ギャラリーは、特別展の開催期間中は休止となります。
また、特別展の開催前後は、展示作業等によって平成知新館が休館となり、庭園のみ開館という期間もあって、これは入場料が300円とのこと。
明治古都館は長い休館中
明治古都館は、耐震のための改修を行っていて休館中らしいのですが、2015年から休館しているとのことで、今のところいつ再開するのか分からないという状況です。現時点で休館してから10年間が経過しているのか…。

詳しくは京都国立博物館のWebサイトにもありますが、要するに「お金が無くてできない」のかと。
https://www.kyohaku.go.jp/jp/learn/home/yomimono_data/0114
ちなみにミュージアムショップには「トラりん」という京博の公式キャラクターのグッズがたくさんあって、この売上は文化財保護にあてられるとのことです。
今回、トラりんの手ぬぐいを購入しました。(ミュージアムショップでは手ぬぐいを買いがち)
カラーがベージュとグリーンの2色で、グリーンのほうがよかったけどデザインが異なっていて、デザインはベージュのほうがよかったので、結局、ベージュを購入しました。
京博のミュージアムショップは平成知新館だけでなく、南門を入ってすぐのところにもあります。南門のところにあるショップは博物館の入場券が無くても利用可能です。
ついでにトラりんグッズのオンラインショップも。
https://store.savekyoto.jp/pc/
そういえば平成知新館の1Fレストランは閉店となっていました。2022年と書いてあったのでコロナウイルスの蔓延が関係していたものと思います。いま2025年ですが空き店舗のままなので、なかなか大変なんでしょうね。
そんな感じの京都国立博物館です。
平成知新館
平成知新館の入り口は東京国立博物館の法隆寺宝物館に似ています。写真を取り忘れましたが、この自動ドアの手前に壁があって、外側の正面からは入り口が見えないかたちになっています。

建物は地上3階、地下1階。展示スペースはそれほど大きくはありません。というか思ったより小さい。明治古都館の中も見られるのであれば全体でそれなりのボリュームになるんでしょうけど、平成知新館だけだと京都の国立博物館としてはちょっと小さいと感じるのは否めないかも。
中に入ると右手にミュージアムショップがあって、正面左側にインフォメーションとエレベーターがあります。ロッカーやトイレも正面奥にあります。
3階から見ていきます
順路としては3階から1階に降りてくるかたちなので、エレベーターで3階へ。

平日で空いていることもありますが、中の空間が広くて展示も見やすいように感じました。
なお、展示室は撮影禁止です。
まず3階は陶磁と考古のコーナー。考古の展示では一品ずつガラスケースに収められた展示物が並んでいて、これもまた法隆寺宝物館の仏像の展示と似ています。踏襲しているのかな。
それから3階の展示室の奥には「ラウンジ」というスペースがあります。ラウンジといっても飲食はできないようですが、外の景色を眺めながらちょっと休憩。まだ平成知新館に入ったばかりだけど。
方角としては北向きの豊国神社側で、右のほうに清水寺の朱色の三重塔も見えました。外がテラスっぽくなっていて、ドアもあるので外に出られるのかと思ったけど、出られないようでした。

2階に降りると絵画のフロアで、絵巻や屏風などが展示されています。高い天井まで届くほど大きな屏風絵は圧巻の素晴らしさ。
そして1階は仏像と特集展示、このときは特集展示で刀剣、そして巳年にちなんだ新春の展示がありました。新春の展示は子ども向けの解説が中心でしたが、大人でも楽しめるものでした。というか、自分のレベル的に子供向けでちょうどよかったり…。
1階を見終わって入り口のほうに歩いていきます。天井が高くてひろびろとしています。右側には庭園が見えます。

チラ見せがすごい
3階から1階までひととおり見てきたわけですが、個人的にこの平成知新館で一番すごいと思ったのは、順路に沿って歩いているときに下のフロアの展示がちらっと見えること。
3階を歩いているときに2階の絵画が少し見えるし、なんといってもすごいのは、2階から1階への階段の先に仏像がちらっと見えるところです。
薄暗い展示室を歩いていたら、少し遠くに仏像がチラッと見える。いわゆる「チラ見せ」です。そのように設計していると思うのですが、この見せ方は本当にすばらしいと思いました。
写真を撮れないのが残念だけど、やっぱり実際に歩きながら見えるのがいいんだろうなあ。
地下1階のシアター
13時、14時、15時とシアターで上映があるとのアナウンスがあったので行ってみます。
「藤原氏の経筒と経箱」という内容で20分弱の上映とのこと。開始10分前ぐらいに行ったら客席はガラガラ、というか誰もいない。さすがにその後、数組が入ってきましたが、それでもガラガラでした。真ん中の席で気兼ねなく鑑賞できるのでよいのですが。
シアター自体も立派なものでシートも座りやすくて、思わず眠くなるほど。
映像も高精細でとてもキレイです。経筒や経箱の装飾を詳しく見て、知ることができました。

京都国立博物館を出て、まだ時間も早いので周辺を少しぶらつきます。
方広寺と豊国神社
京都国立博物館の南門を出て右へ歩きます。京博の向かいは三十三間堂です。
京博の周辺には、ハイアットリージェンシーやフォーシーズンズ、シックスセンシズなどの高級ホテルが並んでいます。このあたりは京都の繁華街からほんの少し外れていて、静かだからでしょうかね。
京博の敷地をぐるっとまわっていくと方広寺の駐車場にたどり着きました。かの有名な「国家安康」「君臣豊楽」の文字が刻まれている鐘があるお寺です。文字はよく見えないのですが、鐘楼の天井の絵が見事でした。

そのまま隣の豊国神社へ。すっかり晴れてきたものの、風が強くて寒い。

唐門は国宝に指定されています。
一般的な絵馬ではなく、ひょうたん型の絵馬がたくさんぶらさがってました。

参拝して豊国神社を出ます。
豊国神社の裏というか横から入って正面から出るかたちとなってしまいました。

豊国神社を出ると目の前に小さな公園があって、その隣には塔が立っている小さい丘のような場所があります。ここは「耳塚」で、秀吉が朝鮮出兵を行った際、武将たちが戦功として首の代わりに持ち帰った耳や鼻をここで供養したというものです。ハングルでの説明もありました。
豊臣秀吉にまつわるいろいろなことが、このごく狭い地域に詰まっています。
京博はときどき訪れたい
ぶらぶらと鴨川沿いを歩いて七条駅へ。七条駅は電車の行き先によって入り口が異なるので注意が必要です。
来たときと同じ京阪電車のプレミアムカーで大阪まで戻りました。
京都国立博物館(京博)は、大きくはないものの展示内容や見せ方、建物など、見どころも多い博物館です。特集展示をチェックしつつ、そして明治古都館の再開も期待しながらまた訪れたい場所です。